CADDPから、ひとつの家族についての報告が届きました。
「デイン・ポリーは、我々のチルドレン・スタディ・クラブに通う女の子です。彼女には知的障害があり、残念ながら学校の成績もよくありませんでした。
ある日、ポリーさんが両親に一枚の紙を手渡しました。そこに書かれていたのは両親の名前でした。
農業を営む両親は、内戦の影響で学校に通うことができなかったため、文字の読み書きに日々困難を感じていました。
そんなおり、障害があるわが子が、自分たちが不得手な文字を書いてくれた。それも自分たちの名前をしたためてくれた。両親は、涙を流しながらその紙に書かれた文字を読んだそうです」
ポル・ポト時代がカンボジアの内戦時代だと知る人は、「ずいぶん年を取った両親だな」と思うかもしれません。
しかし、1998年までポル・ポト派と政府軍との戦闘が続き、その戦後処理にも時間が費やされ・・・。
それを考えると、20代、30代のお父さん、お母さんの中には、幼いころに学校がなかった方、あっても通える状態ではなかった方もいるはずなのです。