コロナ禍の中、私たちの日々の生活を支えてくれる エッセンシャルワーカーの皆さまに感謝いたします。
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【エファ通信229号】
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こんにちは。エファジャパン事務局です。

 

日本において、元首相が射殺される事件が起きてしまいました。民主主義においては、いかなる暴力にも反対の意志を貫く必要があります。

 

かのカンボジアでも2016年、著名な政治評論家が白昼堂々銃撃され、その命を絶たれました。今でもその事件は、カンボジア国内に禍根を残しています。

 

また、子どもたちはその様を無垢な瞳で見つめています。私たち大人は今こそ“対話”によって、暴力・戦争に毅然と立ち向かわなければならないと感じています。

 

今回は、ラオスにおける小学校図書室運営事業のレポートの続編をお届けします。そして、あの悲惨な戦争を体験した人による「自分ものがたり」も――。

 

どうか一日も早く、世界に平穏な日々が訪れますように。エファはそう願い、自分たちができる活動からはじめてまいります。

(事務局)

ラオス小学校図書室運営事業レポート2

~「本の飢餓」を解消するために~
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図書室のメンテナンスは村ぐるみで
 
ケンモー村小学校においては、新学期からは読書活動以外にも様々なことに取り組むという報告がありました。
 
来年度の新学期(2022年9月~)が始まり、状況が落ち着いていたら、クラス対抗の絵本読み聞かせ大会やゲームなど、少なくとも週に1回は関連する活動を行う予定です。
 
ただ、図書室の継続的な運営のためには備品や本の購入、修繕などがやはり不可欠。
 
同小学校では閉校中は呼びかけができなかったものの、新学期から村民より一世帯年間3,000~5,000Kip(29~48円)程度の費用を徴収する予定です。
 
これは図書室設立前に、すべての保護者に伝達済み。図書室の継続的な運用支援についてご理解をいただいています。
国立図書館の図書館員による絵本の読み聞かせ
本を見ればわかる、図書室への愛
 
今回のモニタリングに同行した国立図書館児童読書室副室長のラットダンポーン・シングダラさんに話を伺いました。

「支援いただいた自治労広島県本部の皆さまに、心より感謝申し上げます。

どの学校の図書室担当教員も、図書室運営に責任を持って取り組んでいます。本の登録作業は時間がかかるものですが、どの図書室でもすべての本が登録されていました。教員の皆さんが、本の登録の作業の技術を習得しているのがわかりました。
 
また4校とも、毎日図書室を開放しており、児童はいつでも図書室に来て本を読むことができます。本棚にある本の状態を見ると、多くの子どもたちに読まれていることがわかります。学校の児童から図書室が好きな様子が伝わってきました」

ラットダンポーン・シングダラさん(右側)

サントン郡教育局 カモーン・ケオヴィライモーンさん
図書室担当の人材育成が課題
 
このモニタリングは、図書室担当教員の技術指導の場にもなっています。シングダラさんは言います。

図書室担当教員は、図書室が設立された2020年に研修を受けたのみ。今も担任を持ちながら図書室の運営を行っています。
 
彼らの負担を減らすためにも、児童に図書委員になってもらい、サポートをお願いするとよいのではと考えます。今はどの学校とも委員が設置されていませんでしたので…。人材育成が重要な中、モニタリングを通じて技術指導を行っていきます」
 
モニタリングに同行したサントン郡教育局担当官・ケオヴィライモーンさんも「学校図書室は児童の成長にとって大切な場所」と認めた上で、
 
・サントン郡内のすべての学校の図書室業務を支援し、促進し、資金を探すこと
・読書推進活動のための体制を組織し、図書室担当教員のトレーニングの機会を提供すること
 
などを進めたいと話してくれました。
 
 
「本の飢餓」を解消するためには、本や図書室などのハードはもちろん、それを運用するソフト(人材)も必要不可欠です。
 
すべての児童に、本を。エファは今期もラオスの小学校図書室運営事業のサポートを続けます。皆さまの温かいご支援に感謝いたします。
エファで始まる「自分ものがたり」3【エファ夏募金 2022】

CADDP事務局長のプロム・サム・オーウンさんは戦争体験者です。

 

彼が7歳のとき、ポル・ポト時代(1975~1979年)が始まりました。ポル・ポト時代の約4年間で、病気や餓死などによりカンボジアの人口の2~3割にあたる170万人が命を落としたとされています。

 

そんな時代をくぐり抜けてきた、彼の自分ものがたりとは――?

 

 

そこは名ばかりの“スクール”だった

 
「ポル・ポト兵は、子どもたちを家族から引き離しました。私を含め、すべての子どもたちはコミュニティ・スクールと名づけられた場所に集められました」
 
しかしそこは、“スクール”ではありませんでした。先生から国語や算数を教わることはなく、子どもたちは、強制労働に従事させられることに。
 
「私がいたグループは、サトウキビ、カボチャ、スイカ、トウモロコシ、大豆などを植えるため、荒れた土地をきれいにするように強要されました。毎日、十分な食べものを与えてもらえません。病気になっても、薬がありません。多くの子どもたちが死んでいきました」

ポル・ポト派の指導者は、ポル・ポト派組織に対してのみ正直であるようにと伝え、逆らう者は処刑されたそう。オーウンさんは毎日恐怖に怯え、心に安らぎがないままの生活を続けたといいます。
 
※CADDPとは:エファはカンボジア農村部の障害児に生きる力をつけてもらうプロジェクトを実施しており、CADDPは現地で主体的に活動してくれている現地NGO。現在、カンポット州ドントン郡3集合村の30人の障害児を対象とし、3カ所の学習施設であるチルドレン・スタディ・クラブを開設。継続的に教育の機会を提供し、地元の小学校、郡および州教育局、福祉局、農業支援を行っている組合等と協力しながら事業を展開しています。

 

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仲間同士の励まし合いによって頑張れた

 

その後オーウンさんは、祖国カンボジアから脱出、隣国タイにある難民キャンプに逃れました。

 

「難民キャンプでは子どもたちを受け入れる学校がありましたが、建物がなかったので木の下で勉強しました。学習教材もなく、決して恵まれた環境ではありませんでしたが、『勉強ができる』喜びを感じていました」

 

とはいえ、難民キャンプでは離れた故郷を思い、また戦争を思い出しては辛い気持ちになる日々。国に帰れる日を夢見ながら、オーウンさんは一生懸命勉強しました。その努力が実を結び、彼は難民キャンプにある高校を卒業できたのです。
 
オーウンさんはこう語ります。
 
「難民キャンプに逃れた人たちは、お互いに支え合って暮らしていました。勉強が辛いとき同級生同士で助け合ったものでした。

学習を続けるため、励まし合い、助け合う人の存在があってこそ、高いモチベーションが生まれます。その難民キャンプでの経験を、いまの『カンボジア農村部の障害児のライフスキル向上プロジェクト』に活かしています」
 
ウクライナに平和と教育を
 
今春以来、ウクライナでの出来事は、世界中を悲しみと混乱の渦に巻き込んでいます。カンボジアでも、ガソリンや他の物の値段が上がるなど、人々の日常生活に影響を及ぼしています。

「いま戦争の中で生きる子どもたちのことを考えると、ポル・ポト時代の自分を思い出します。不安でおびえる毎日が、今すぐにでも終わりをつげ、平和が戻るよう願ってやみません」
 
自分の過去に重ね合わせながら、オーウンさんは祈っています。
ウクライナの子どもたちに、彼らに一刻も早い平穏と、しかるべき教育が行われる“スクール”が開かれることを…。
ご不明な点は、事務局までお気軽にご相談ください。
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