今回の出張で、まずは事業地カンポット州の教育・青年・スポーツ局(以下、教育局)と社会問題・退役軍人・青少年更正局(以下、社会問題局)を訪問し、CADDPの活動について報告を行いました。
各局とも局長、副局長が対応してくれました。
教育局では「現地の声を、今後、教育・青年・スポーツ省(以下、教育省)に報告し、政策策定への提言をしていく」と説明いただきました。
社会問題局では、いま障害者福祉手帳の発行を進めていて、チルドレン・スタディ・クラブに通う30人の子どもたちへも手帳の発行を進めてくれることになりました。
首都のプノンペン市に戻った後は、教育省の障害児童教育を管轄する特別教育局と、小学校を管轄する初等教育局、またカンボジア国立図書館にお時間をいただきました。
そこで意見交換の場を持ったのですが、話題にしたのは、「障害がある子どもたちが使う教材の開発について」。
今年2月にカンボジアを訪問し教材のリサーチをしましたが、障害児向けの図書は市場で販売されていません。点字なども開発され、これから普及に向かう動きがあるようですが、一般にはまだ出回っていないのです。
今回は、日本で出版された障害がある子ども向けの本、ユニバーサルアクセスの本、布絵本をサンプルとして持っていきました。教育省や国立図書館に見てもらって、アドバイスをいただいたのです。
教材の反応については、機会を得て、ご紹介しますね!
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このように、現場と関係省庁の間を行きつつ、戻りつつしながら、現地の声をきちんと伝えたり、逆に政府の方針を現地に伝えていく。そうして、双方の溝を埋めていく。――そんな役割はNGOだからできることだと思います。
次号では、出張で触れることができたカンボジアの残すべき文化について、お話しします。
(鎌倉 記)