コロナ禍の中、私たちの日々の生活を支えてくれる エッセンシャルワーカーの皆さまに感謝いたします。
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【エファ通信228号】

暑中お見舞い申し上げます。エファジャパン事務局です。

暑い日々が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

 

みなさんが子どもの頃、学校に図書室はありましたか?

学校の図書室は、正式名称を「学校図書館」。1953年制定の学校図書館法で「すべての学校に設置されなければならない」と定められています。

 

その学校図書館を管理する「中の人」、日本においては2パターンあるのです。

 

「司書教諭」は文字どおり学校の先生。学校図書館の経営や指導を担い、すべての学校に配置義務があります。ところが、法律制定時に配置に関する猶予がつけられたことにより、学校図書館はほぼ100%設けられたのに「中の人」不在という学校も…。

 

そこで2014年の法改正で学校図書館の担当者(職員)の「学校司書」が置かれました。それでも、学校司書がまだ未配置だったり、司書教諭の先生が多忙すぎたりと、「中の人」問題はいまだ解決していません。

 

日本でさえ、図書館の「中の人」整備は遅れがち。では、みなさんのご支援で設置できた、ラオスの学校図書館の「中の人」はどうなっているのでしょうか…?

 

今回と次回は、ラオスにおける小学校図書室運営事業のレポートをお届けします。

 

また、今号の「エファで始まる自分ものがたり」続編もぜひご覧ください。

 

(事務局)

ラオス小学校図書室運営事業レポート

~「本の飢餓」を解消するために~
小学校の図書室設置、コロナ禍を経て
 

ここは、ラオス人民民主主義共和国のビエンチャン都サントン郡。ケンモー、ナーサオナン、ナミエン、そしてフェイトムという4つの村に小学校があります。

 

2020年、自治労広島県本部のご厚意により小学校に図書室が設置されました。しかし、奇しくもその2020年から、新型コロナウイルス感染症が感染拡大したのはご存知のとおりです。

 

2021年4月からはラオス国内の学校が閉校となり、児童は在宅での自主学習を余儀なくされていました。

フェイトム村小学校の図書室
およそ1年ぶりの「本を読みたい!」
 
20222月より小学校5年生のみ通学となりました。4校とも、ソーシャルディスタンスを考慮しながら、読書推進活動を行っています。
 
長期にわたり学校に通えなかった分、図書室に友だちと来たり、児童の読書への熱が高まっています。
ナミエン村小学校の通学風景
図書室で行われている活動とは
 
2020年、図書室担当教員に向けて研修会を実施しました。その研修会で学んだことを活かし、各学校で図書活動が行われています。例えば、ケンモー村小学校では下記のような活動を実施中です。
 
・児童が図書室にある好きな本を選んで読む自由読書
・本の貸し出し
・4年生、5年生が低学年に読み聞かせ
・授業の副教材として教員が利用
・幼稚園の先生が教室で読み聞かせを行うための絵本の貸し出し
多くの児童でにぎわうケンモー村小学校
「また図書室に来られるようになって嬉しいです!」
 
図書室に訪れていた児童たちに話を聞いてみました。
訪問時は期末テスト前とあって、ト・ノさん(小学校5年生、9歳)の話題の中心はやはりテストの点について…。
 
「ぼくたちの学校図書室をサポートしてくださっている日本の支援者の皆さんに感謝します。1年間、学校に通うことができず、家での勉強を続けていました。やっと学校に戻ることができて、また図書室に来られるようになって嬉しいです。

来月には期末テストが始まります。学校に来ていなかったので、テストで合格点を取れるか心配です。図書室で、僕はテストのための情報を集めています。国語の点数を上げるためにも、本を読めるといいなと思っています。これからも本を読む練習をしたいです」
 
(229号へつづく)
ト・ノさん(ケンモー村小学校5年生、9歳)
エファで始まる「自分ものがたり」2【エファ夏募金 2022】

勉強がしたい、でも家庭の事情で難しい

 

「僕には2人の姉と妹がいます。父は軍人なのですが、それだけでは食べていくことが出来ないので、母と田畑を耕しながら僕たちを養ってきてくれました」

 

これは、カンボジアのラコーイさん(18歳、高校3年)の「自分ものがたり」です。

 

 

昔から勉強が好きだったラーコイさん。小学校の高学年のころには、中学へ進学したいと思い始めていました。


でも、村の多くの子どもたちと同じように、その夢をかなえることは自分の家庭の事情からして難しい。

 

彼は小学生にして、その現実を受け止めつつもありました。


そんなときのこと。SCADP(スキャップ、エファのパートナー団体)のソカリおばさんに出会ったことで、ラーコイさんの未来は変わり始めたのです。

 

ラコーイさん(18歳、高校3年)

電気技師になって、家族を支えたい

 

「ソカリおばさんは、『あなたは成績が優秀。もし勉強を続けたいと思うのなら、応援するわ』と言ってくれたのです。本当にうれしかったです。奇跡が起きたと思いました」
 
ラコーイさんは、目を輝かせて語りました。
 
彼は勉強を続けるため、このSCADPの児童保護施設に、小学校5年生のときから暮らしています。

「2015年にここに来たころは、ホームシックにもなりましたし、何度も家族が暮らす実家へ帰りたいと思いました。

でも、ソカリおばさんやSCADPのスタッフ、そして一緒に暮らす兄弟姉妹たちがいつも支えてくれました。今は本当の家族のようですね。
 
僕もここでは年長者になりました。下の子たちの気持ちは、当時の自分を見ているようで良くわかります。ですから、できるかぎり陽気にふるまい、良き相談相手になれるよう努めています」
 
今年には高校を卒業するラコーイさん。奨学金をもらい、働きながらカレッジに入ります。

「電気技師になること、それが僕の夢です。技師になって、家族を支えていきたいと思います」
 
 

困難の中にある子どもたち、そして日本の私たちが「自分ものがたりを描ける社会」を創る。

 

希望に続く道を、エファとともに歩んでいただきますよう、皆さまのご支援をお願いいたします

 

※SCADPのプレアビヒア州児童保護施設支援
エファは、共同パートナーである団体「SCADP(Street Children Assistance and Development Program)」とともに、経済的な理由などから、保護者が育児を放棄した子どもたちを預かる児童保護施設の運営を支援しています。

ラコーイさんたちプレアビヒア州45人の子どもたちは、この児童保護施設で寝泊まりをしながら、学校に通っています。

 

ご不明な点は、事務局までお気軽にご相談ください。
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